珍事件

コワーキングスペース珍事件簿~絡んでくる男&勘違いする女~

怖い女性

コワーキングスペースって起業家やフリーランスやパウロみたいなノマドワーカーが主に使っているんだけど、

その中にはやっぱり変わった人がいるのよね~(パウロのことじゃないからね!)

オブラートに包むとユニークな人?

そこでコワーキングスペースのお友達に聞いた変わった出来事の話を紹介するわね~

今回は東京で出会った女性のお話よ。

勘違いの果て

私はある一時期、日中の仕事の後で、同じコワーキングスペースを利用させていただいていたことがありました。

そのときに経験しました、やや、ドラマのような珍事件に巻き込まれました。

 

昼間の仕事を終えてからなので、仕事後に直行をしても、コワーキングスペースに着くのは午後8時、9時といった時刻になることがしばしばでした。

そのコワーキングスペースは、座席数が少ないのですが、皆が同じ方角を向かって座ることになるところも私は気に入っていました。

人見知りなため、知らない人と視線が合うのが苦手で座席の位置によって他の多くのコワーキングスペースでは、仕事への集中力が大きくそがれてしまうのです。

 

幾度か利用するうちに、私は自然と同じ席に腰かけることが多くなっていきました。

毎晩利用していたわけではないのですが、利用を始めてひと月くらいすると、決まって私が決めた席のすぐ隣に、同じ男性が座るようになりました。

男性の年齢は分かりませんが、私より大体一回りは年が下のようでした。

 

先に私が座り、イヤホンをして、請け負っている、会議の音声の文字起こしの仕事を始めます。

するとやはり、昼間の仕事を終えた後らしく、荷物をたくさん抱えたその男性が私のすぐ左隣に座るのでした。

身なりも容姿も持ち物もごく普通で、コワーキングスペースのスタッフの方とも、ごく常識的な話をしている風でした。

 

座席数が多くはないといとっても、コワーキングスペースですから、空いた席は他にいくらでもあるのです。

私もおかしいのですが、意地のようになって、座席を変えなかったのです。

それがいけなかったのか、そのうち、こちらがイヤホンを取り、休憩しようとするタイミングを見計らって彼は話しかけてくるようになりました。

内容は、決まって彼の仕事のことでした。大変に順調だということでした。名刺までくれました。

それが2日続いて、私はさすがに座席を変えました。

 

それでも驚いたことに、夜の10時近くに、複数のスタッフの方を除いて、利用者が私と彼の二人きりのときでも、彼は私の隣を選んで座ってきました。

変わらず話しかけてきます。

 

無意識のうちに何かを察したのかついに、私はそのコワーキングスペースに行けなくなってしまいました。

「私が何か気を持たせるようなことをしたのかな?」と、悩みました。

 

仕事後には他のコワーキングスペースを利用しましたが、仕事場から支給されている定期券が使えず、電車代が余計にかかり、時間も余計にかかるので、損をした気分のままでした。

 

半年ほどして、ある日、仕事帰りに突然思い立ち、私は一か八かの気持ちの中で、以前のあのコワーキングスペースを利用してみました。

自分には好きなコワーキングスペース利用する権利があるはずなのに、おもしろくない気持ちが溜まりにたまっていたのです。

 

夜8時ごろ、私は利用登録を済ませるとあたりを見回しました。

料金を支払った後でも、あの男性がいたら、すぐに帰ろうと決めていました。

彼は見当たりませんでした。ほっと一安心して1時間くらいしてから、ある若い女性が私のすぐ隣に座りました。

 

他にも席は多くあるのに、、、

 

すこし、残念な気持ちがしましたが、私は仕事を続けました。

イヤホンを外し、私が休憩をしようとしたとき、彼女が話しかけてきました。

 

「お疲れさまです」

 

ものすごく、キツイ言い方と、これまで、同性から受けたことのない、恨むような視線でした。

 

あまりの勢いに気圧されて私は咄嗟でもお疲れ様です。

と、返すことができませんでした。

 

内心では知り合いでもないのに。とても悲しくなりました。それほど怖い顔でした。

コワーキングスペースを一旦出て、外で短い休憩を、と思い、席を立った瞬間にまさかの人が登場しました。

 

半年ほど前に、何度も何度も私に話しかけてきた男性が、先ほど私を睨みつけた女性のところにやって来ました。

「お待たせ」

夫婦のように、遠慮のない、距離感のない、そんな言い方でした。

 

彼は、彼女のすぐ隣で立ち上がったばかりの私の顔を見ると、正直すぎるくらいに驚き、瞬間的に、ばつの悪そうな表情に変わりました。

 

そして、通路をふさがれる形になり、困惑する私に対して、彼女はすかさず一言短く言い放ったのでした。

「お付き合いしてるんで」

 

さっきの「お疲れ様です」よりも、もっと、もっと、もっと、もっと、もっと怖い顔でした。

彼の表情は、かたまっていました。

 

私は彼女から見据えられた視線を外し、眉をひそめるのが精いっぱいでした。

何も言えるはずもありません。

 

だって、彼とは無関係なのですから。

 

私は、一体、何をしたと、いうのでしょうか。私は美人でもなんでもなく、コワーキングスペースを利用する女性の中ではごく少数派の年齢層で、若くもまったくありません。

それに既婚者です。

 

あなたたち、半年の間、何をしてたんですか!?

 

心の中でこう叫び、私は泣きたい気持ちになってしまいました。

それくらいに、彼女はものすごい剣幕だったのです。

以後、私は二度と、そのコワーキングスペースには行っていません。

 

最近では、モデルさんのように可愛らしいコワーキングスペースの受付さんをよく、見るようになりました。

テキパキと動き、説明も分かりやすく、明る笑顔で癒してくださいます。

蔵書が豊富で、無料のドリンクもお菓子も充実したコワーキングスペースも、増えているようです。

でも、利用者たちが皆、節度を持って利用しているかにも、

もう少しだけ、

目を配って頂きたいなと、感じております。

 

「あなたに利用してもらわなくても、利用者さんは、いくらでもいますから」と、言うには、

コワーキングスペース間では既に、利用者さんの獲得合戦が始まっていると、思うのです。